自己解釈
山の端の巻
1 秋到来とみるや紅葉はさーっと広がる。(弾寒)
2 秋が足早に通り過ぎて行く。僅かに残す木守り柿を選ぶのに苦労するしぶちんの御仁。(涛青)
3 選びかねるのは優秀な後継者。人材に恵まれた師の家で恒例の月見の宴に集う俊英たちがたちまちに漢詩を百篇うたいあげる。発句が秋なので月を引き上げました。(麗枝)
4 前句を中国の詩人とみて、阿部仲麻呂が故郷を偲ぶ姿を浮かべてみた。(弾寒)
5 雲を眺めていると、甘い三笠山に見える。ダイエットにはげむ現代娘。(涛青)
月はすでに詠まれているのでここの月の座はなくなりました。(執筆)
6 現代娘といへばイタリア旅行。土産話にブランド品。(麗枝)
次句は雑が続いたので季節がほしいところ。
7 フィレンツェからパリに輿入れしたカトリーヌ・ド・メディチ。あまり縁のない雪に故郷を思う。(弾寒)
8 巴里の雪に故郷を偲ぶのはアフリカ出身者。サバンナを駆けめぐった日々を回想する。(涛青)
9 サバンナ産の象牙で作らせた輿に乗っての美女。お金もかかります。(麗枝)
恋の句です。次は花前なので春の句を願います。
10 傾国の美女ではやはり国破れて山河在りということになります。(弾寒)
11 長生きする気はさらさらないのだが、山河にめぐる春の息吹きを感じると今年もせめて桜をみるまではと欲が出る。(涛青)
12 前句の老人は、思い出すのは昔のことばかり。おちょぼ口のあの子はどうしているのやら。きっと好きだった子にちがいありません。さよりは春を告げる魚と聞いたことがあるような間違ったらごめんなさい。(麗枝)
季節は春で良いのだと思います。ついこの間食べたのですけど。現代は季節感を感じるのは難しいですね。
13 グレートバリアリーフで一緒に潜った君が残した鮫の牙のお守り。さよりのような魚を見ていると思い出す。(弾寒)
ちょっと苦しい付けですが、やりにくい前句ですから。外国の地名で季節を現わすのは妙手です。
14 鮫の牙は痛そうではありませんか。恋の呼び出しのつもり。(涛青)
恋の句で応えてほしいものです。
15 消えたはずの火なのに思いがけない展開に。女は勝負に出ます。恋に傾注するあまりお次の月のことを忘れて済みません。(麗枝)
上手に恋句を付けました。月は一気に季移りする必要がありそうです。
16 きりりとした眉であんなに迫ってきて一緒になったのに今や帰宅しても出迎えず寂しく鍋を温め直す有り様。月はお次の方にお譲りいたします。鍋は秋ではありませんか。(弾寒)
鍋は食材によって決めるのがよろしいのでは。一般的には冬でしょうか。
17 単身赴任か、侘びしくひとり鍋をつつき月を待つ。隣家と軒を接する住まいでの月見はなかなか難しい条件が付く。(涛青)
月が収まりました。秋はもう一句以上。
18 京の町屋でもあろうか、長方形に仕切られた空の一角に月が架かる。待ちかねた月を眺めていると、隣家から口切りの茶事の準備だろうか臼を挽く音が聞こえる。「口切り」は冬の季語だが、「控え」で晩秋。(チョット苦しい)。(不易)
19 上手く出来た露地だが、一カ所合わない石がある。隣家の石臼がピッタリの踏み石になるのだが、挽く音を聞く度にほしいものだ。風流といえども欲の固まり。(弾寒)
20 首の代わりに差し出した名石。露地にぽっかり空いた跡をながめて、恨みをそそぐ算段に余念がない。(麗枝)
21 散財を決め込んだ後の廓の引け時。遊び覚えた「投節」が身を助け、足りない遊興費を穴埋めしたのはよいのだが、やっている内にこれもなかなかと思えてきた。このままの幇間も悪くない。さぁどうしよう。「思案」「投げ」「首」。(不易)
22 花前の句
遊郭か、置き屋に居続けている若ダンナをイメージしてみたのだすが……(正棋)初お目見えの正棋さんの句です。のどかな雰囲気で花を待つ気分です。
23 気ぜわしいことです。花見の最中にもう、翌年の趣向をする。
長期休暇が入り中断してえらく時間がかかって面目次第も御座りませんでした。