連句表紙頁

自己解釈

評者 山穂

1、皆様、まだまだ寒い日が続きますが、お元気でご活躍の事と存じます。この度、濤青様、不易様よりご使命を賜りまして宗匠の大役を勤めさせて頂くこととなりました。相も変わらず未熟者で恥ずかしい限りではございますが、不易様のご指導、皆さまのお力をお借りしまして頑張って参りたい所存でございます。どうぞ宜しく(お手柔らかに)お願い申し上げます。追記:新記録を作りたいですね。
瑞菜様、早速ですが発句をお願い致します。発句は大らかにさらりと、季節は春をお詠み下さいませ。
それでは、歓迎会で皆様にお目にかかれることを楽しみにしております。山穂

2、皆様、昨日は大変お疲れさまでございました。瑞菜様の歓迎会も兼ねてとても楽しい宴となりました。宗匠の私が進行を遅らせてしまい、大変申し訳ございませんでした。新たに気を引き締めて頑張りますので、どうかご勘弁くださいませ。それでは続けて参ります。

3、

4、

5、前句で、不意の客にびっくりしてしまった。今日はまた、赤く色付いた 蔦越に、アレまーなんと大きな月が昇ってくることか、ここでまたドッキリ。 蔦葛=蔦に同じ、ブドウ科のつる性落葉植物。季語では三秋(初秋、仲秋、晩 秋)に使う。不意の客にからまれた思いが残る。

6、借金取りもようやく帰り、金策も目処がつきほっとした。長い夜を一人では持て余してしまうけれど、ウイスキー(あるいは麦焼酎)を飲みながらしみじみ過ごす夜更けもまた悪くない・・・順番が前後しますが先ほどお送りしたものを入れ替えさせてくださいませ。
六句を頂戴致しました。結構でございます。「琥珀も揺れる」は上句の静に対比して動きが感じられてとても良いと思います。前句のドッキリ感から安堵感へと展開し、上手く秋の夜長の情景を表現されていると思います。「虚構の人」を登場させて面白く情景を表現されるように、この調子でお続けくださいませ。

7、野分を思わす強い戸外の風と室内の静寂。夜半たけりおる秋の夜の独酌。いかがでせうか。
ついでに、己の事は差し置いて、前句の「一人の夜長」ですが、「一人の」の「の」が強すぎません。「の」と言い切ってしまうと、「もう、なんったって絶対ひとりだもんね。ヒ・ト・リ。ったく」になってしまいますですう。「ひとり夜長に」とか言っていただけると継ぎやすいといいますか、展開が広がるのですが。「一人来てひとりを訪ふや秋の暮れ」・・・・なんのこっちゃ。これは、蕪村翁の名吟のひとつだと迂生は高く評価する一句ですが、一人であってひとりでない、自己の深淵への自問自答とも、単に人が人を訪ねたとも、それをただ見ていた別の人とも、孤高は孤高であるが故に高貴を知るとも、いかようにも解釈の広がりをみせる佳ろしきポエムではござんせんか。てなことほ、思う次第にてありつるです。校正待ちで暇なものですのでチョイと一言。宗匠さまには、差し出がましきご無礼の段ひらにご容赦。 執筆平伏恐々謹言
「一人の・・」お説のとおり、「なんたってひとりだもんね」路線ですが、一 人になりたい意志が強く表れているのは、こちらでしょうね。この際、訪れる 人が無い方がいいという意思表示で、人付き合いに疲れる現代風でいいんじゃ ないかナー、と思う次第です。青 拝
不易様、七句目頂戴致しました。結構でございます。静と動を織り交ぜた秋の情景を美しく表現して頂きました。さすがでございます。
それでは海市様、八句目をお続け下さいませ。季節は秋を離れてください。

8、遅くなりまして、申し訳ございません。月末、レイアウト変更の荷造り、月初、経理締めと続きまして...単なる言い訳ですが...八句お送りします、ご指導よろしくお願い申し上げます。
障子の明るさにふと目を覚ますと、外は一面の雪景色。ススキも道も何もかも雪の下。昨夜はあんなに秋風が吹き荒れていたのに...
八句目、お待ちしておりました。前句を受けての展開と解釈に少々無理があるように思いますが、このまま続けさせていただきます。

9、寝ぼ助は今日もお天道様が高くなった頃に起き出す。煙草を吸いながら、窓を開けて外の空気を吸わないと目が覚めないぐうたら者。(いやー、今回は難しかったですね。)  
不易様大変お待たせ致しましして申し訳ございません。花前の句をよろしくお願い致します。瑞菜様、花の句をご準備くださいね。

10、愁雲のせいか、宵闇の迫りか。うっすらと暮れてゆく春の憂愁。かそけくかそけき春雨の音。ハルサメはマロニーちゃんでは有りません。為念。個人的にですが、少しく悲しい知らせを受けたあとですので、花前にしては幾分、メランコリーになってしまってすみません。いかがでせうか。
花前の句いただきました。「聴く」という語句を巧みに使って春の宵の美しい情景を表現していただきました。尚、九句ではへんてこになってしまい、申し訳ありませんでした。日々の生活(心身疲労度?)状況が句に見え隠れするようではダメですね。反省・・・。

11、春雨で桜の花も一挙に散ってゆく。その最後のさまが私はここにいます、見てくだされとアピールしているようで、美しい。

12、花のように散るこの身を忘れずに、春になったら訪ねておくれ。桜だけはいつ ものように咲き誇っているだろう。国破れて山河在 城春にして草木深し というところ。
前句には、美しさとはかなさ、気品を感じたので、紅顔の若武者をイメージし てみました。ちょと湿っぽくなったかなー、やはり。
十二句いただきました。結構でございます。しっとりとした叙情溢れる素晴らしい展開をしていただきました。花前、花、濤青様の句と、三部作のような美しい情景の物語となりましたね。

13、前の句に「来てみて」呼ばれたので、行ってしまったのですが...確かにご指摘のようにつきすぎであったようです。ご指導ありがとうございます。今度はいかがでしょうか?
幼き頃、よく遊んだ城山。久ぶりに故郷を訪ね茶店で休んでいると、石畳みの通りから懐かしい声が聞こえてきた。
度々、お疲れさまでした。新しい句をいただきます。初出の句とは違う新たな展開をしていただきました。

14、 こんにちは。14句再挑戦でございます。
なつかしい声に誘われて店を出てみると、やはり旧友であった。二人で飲んだラムネ、あの夏の日が今まさによみがえる。

15、昔は人情が街にあふれていましたですな。ラムネを買ってもらえない子にも、夜店の親父はやさしかった。「おい坊主、どうした一人かい。男はなそんな湿気た面してちゃいけねえよ。一本やるからもってきな」かっての古きよき時代の夏の思い出。
前句のお友達と思しき人物を、小僧に見立てました。気分は夏ですが、季語はありません。いかがでせうか。よしなに。 易拝

16、あの少年は立派な大人になり、一流のミュージシャンを目指している。日々サックスの練習に励み冬の野に向かい吹き続ける。その響きわたる音色は生きる力強さを感じる。

17、サックスの音色は不意に昔の記憶を揺り起こす。あの人と汗ばむほどに踊り明かした秋の夜のことを。あのうなじの白さが眼に残る・・・。
前句の男性的な句から恋の句に転じてしまいましたが、海市さんは恋がお嫌いだったかなー。

18、遅くなりまして申し訳有りません。恋の句は決して嫌いではございませんが、ご指摘の通り、残念ながら句が出て来ないのでございます...
そこで、悪しからず、失恋の句と相成りました。
ジルバ、ルンバと激しく踊り続けても、一向に気が晴れない。踊り疲れて、グラスを手にバルコニーに出てみると、月が高く煌々と輝いている。ひとりグラスに映る月と語らい、やがて美しい月の光を全部頂いてしまう...月の不思議な力が満ちていくような気して...自棄酒でもありますね。
前の句を失恋した女の子と見てみました。このような展開では今度もダメでしょうか?よろしくご指導お願い申し上げます。
月の句を頂きました。結構でございます。「グラスに映る月飲み干して」は、美しい絵の世界のようで、幻想的な感じもあってとても素敵な句ですね。失恋した女の子にみたてて頂いたようですが、しんみりし感はなく、逆に軽快で上手く表現されていると思います。

19、人間ばかりでなく、うさぎもお酒を飲みすぎて、ほろ酔い気分。今日は収穫祭のため、無礼講。食べ物もたくさんあり、浮かれ気分です。
再度有り難うございました。結構でございます。
うさぎさんを登場させて擬人化し、とても上手く前句の月から変化を作って頂きました。斬新でセンスがあり素晴らしい句だと思います。大変お疲れさまでした。

20、桜は葉桜になりはじめ、日差しにも初夏を感じる今日この頃、宗匠様にはいかがお過ごしでしょうか。この巻最後の出番、二十句をお送りします。
秋祭りの日、猟師もこの日ばかりは殺生はお休み。幼い娘の欲しがる市松人形を祭りの露天で見つけて買い求め、家路に急いだ。
早々にお付けくださいまして恐縮でございます。二十句頂きました。テンポよく、語調もとてもよろしいかと思います。また、面白く新たな展開をして頂きました。十八句もとても綺麗な句でしたし、海市様、絶好調ですね。次の巻のご活躍を期待しております。大変お疲れさまでした。

21、市松人形で遊んでいた少女も、はや胸のふくらむ乙女にさしかかりました。初夏のすがすがしい風がキラキラと煌めく青春の日の到来を告げます。
早々に大変恐縮でございます。二十一句、結構でございます。大変素敵な句を頂きました。何とも胸を打つ美しい句ですね。少女期の初々しさと美しさをこういう素晴らしい句で作られると宗匠としては困ってしまいますねぇ(力不足を痛感しますです)。さすが濤青様です、感服致しました。

22、明恵上人が栄西禅師に分けてもらった種を、高山寺に植えたのが栂尾の茶の始まりと言われます。そんな山里のイメージ。前句に照応すると茶を摘む僧の初夏の風情(二番茶は六月、三番茶は八月)ですが、ここは花前ですので春にも適応出来るよう。「茶摘み」で季は春。八十八夜は立春から八十八日目。五月の初め頃ですね。夏と花を同時に繋げる妙手?。いかがでせうか。 易拝 
花前の句、大変結構でございます。実に巧妙でお見事な展開にして頂きました。こういう技巧は真似できません。見習いたいと思います。大変お疲れ様でございました。
皆様素晴らしい句の連続で嬉しい限りですが圧倒されてしまい、宗匠は名ばかりでわたくし本当に困ってしまいます。
それでは気を取り直して、花の句を続けさせていただきます。

23、旅の途中、深山の僧侶には世話になった。それにしても人知れず咲く山桜は燃えるような美しさで見事だった。花に魅せられ誘われて、今日もまた旅は続く。

24、お説のごとく、挙げ句は速やかに作るが肝要ということで、拙句をさっさと出します。
潮干狩りで、ほれぼれするような大浅蜊を掘り当てた。この界隈ではさぞかし名のある大物ではあるまいか。どこぞはいくさに明け暮れしているが、のどかな春の一日の景。潮干狩り、浅蜊は、春の季語ですので。
いかがでござりますか。よろしければ、宴会へと雪崩れ込みたいものと。
早々に挙げ句を有り難うございました。期待通り大らかで、涛青様ならではのユーモア溢れ洒落た挙げ句となり、一巻を締めて頂きました。大変お疲れさまでございました。