1、僭越ながら迂生、口切りとさせて頂きまする。
昼の喧騒の対比としての夜の情景。橋の袂より見る彼岸の侘びしげながら、仄暖かき灯の安心感。
飲み過ぎて、タクシー代もなくなった時も、こんな具合だったなー、なんて考えてはいけませんな。風流な風情で、結構な出足でございます。
2、時は平成十四年十二月。師走ともなり雪混じりともなれば、
すは討ち入り。宝井基角の故事にこじつけるは必定。
赤柿源蔵とのシーンは、今からみりゃありゃ連句でしたな。
ここでは、主客を迎えて、句会の上首尾を言祝ぐ。
ご存じ無い方のために、
「俳人 宝井 基角(榎本 基角)
討ち入りの当日に隣の邸宅にいたのがこの基角。
松尾芭蕉の十人の弟子の中の一人。蕉門十哲と言えば俳句
をかじったことのある方なら分かると思うが、高弟の一人。
赤穂浪士との繋がりも多くあり、討ち入り成功を密かに願った一人でもある。源蔵の上の句に付けて、--明日待たるるその宝船--と詠んで、討ち入りの成就のはなむけとする。茅場町の日経の子会社出版販売が入っているビルは、基角の旧宅があったところではなかったか?」
赤垣源蔵のことで、訂正が入る。
濤師まいる 易拝
追伸 新巻、二句解説中の赤柿源蔵は赤垣。ですがこれはもともと誤伝で、本来は
赤埴(あかばね)源蔵だそうです。討ち入り前夜の「赤垣源蔵・徳利の別れ」がつと
に名高こうございます。濤師ご指摘の其角との絡みの御仁は、大高源五(吾)ではと
思います。水間セン徳(別号セン葉)に師事して俳号を子葉と称した御仁です。
【センの字が見つかりません。サンズイに占うという字です。スミマセン。】
両国橋の袂で行き交い、討ち入りの日取りを其角がさぐると、明日だと答えたので、其角が友人をつのって見物に行ったというお話。(其角って案外と嫌な奴なんですね。
一途な田舎のお侍にカマを掛けたりして、しかも特等席で見物とは。江戸っ子はこんなん多いですよね、たっく。)
年の瀬や川の流れと人の身は 其
明日待たるるその宝船 葉
*
ご説のとおり、大高源五右衛門の話ですが、赤垣源蔵と書いてしまいましたか、やはり酒に惹かれたのかなー。この場をお借りして、失礼之段ひらにご容赦、アレー。 涛青 頓首
三句目は、海市さん。
主客、主人の次は、前二句のご挨拶も済んだところで、話はちがうところへ飛んで下さい。
転調ですな。いっそ暖かい南の島へでも。・・て、で終わるて留めが望ましいが、多くは望みません。ただ、早く付けていただくことをのみ、乞い願い奉りまする。年内に巻き終えて、忘年の句会を催さんとの運び故。新年は、また新たな巻をはじめたいものです。
四句目は、山穂さんです。ご準備を。いろいろ思いつくままに、日頃から書き留めておかれるとよろしいでしょう。
3、春になり北に帰る雁の群。本懐を遂げた四十七士もついに自由の身となり、あのように故郷に帰って行くのだろう...
宗匠様
年内に巻き終えるって本当でしょうか。気が焦りますが、句が出来ず...転調になりそこねてしまいましたが、よろしくお願い申し上げます。
いやー、ご立派な付けで、感服いたしました。久々のヒット作ですな。この調子でどうぞ続けて下さいね。
帰る雁は、春の風物ですね。
お次は、山穂さんです。春が出ましたので、続けて下さい。したがって5句目は月の座ですが、ここは春の月になります。私目ですが。準備しておかなきゃ。
4、まずは新たな巻の始まり、お慶び申し上げます。心新たに頑張って参りたいと思いま
す。ご指導を宜しくお願い申し上げます。
海市様の素晴らしい句に気後れしてしまいました・・・。
四 春 春泥に転けアリ等(ら)も笑う 山
帰り道、つい気もゆるみぬかるみですっころんだ。気が付くと働き者のアリの行進隊。
彼等にも馬鹿にされているような気分。なんてこった!
(そう言えば以前、アリをよけようとして自転車ですっころんだ事がありましたっけ・
・・実話です。)
いかがでしょうか?
面白い景色ですな。アリと目が合うとどんなかんじだろう。
軽みがでていてよろしいですね。
が、詠み上げた時の語調にちょと難有りですな。
山穂さんがよければ、次のようにしたらいかがかな。
当初の意図と違うというので有れば、このままでいきますが。
直し 春泥に転け蟻も笑うか
ご返答願いまする。
了承のうえ掲載句のごとし。
5、今日は転けたけれどなんとなく愉快な一日であった。
陽気もよし春の宵、朧に月がかすんで、 うわー、今夜はいい酒を飲みたい、月が傾き、西に沈むまで飲んでいたいなー、いい酒がアレバナー。
例によって酒飲みのたわごとではあります。
お次は、折端、不易殿でありますね。春は跳ねて下さい。
7句目は、 山穂さんになります。初折の裏入り、折立ですね。
「破」多少の興を起こしておもしろく、というところです。
ここで注意していただきたいのは、11句目が枝折の花となっていることです。
表に春3句ですから、ここは、春は遅く、花前になって初めて出しましょう。
6、月・酒とくれば「月の桂」。月宮の庭に茂る伝説の木・月桂。玄宗皇帝が楊貴妃を忘れられなく、仙界の掟を破り月に合いに行ってしまう。掟破りは厳しく罰せられる。庭前の桂を伐る樵に変身させられ、伐っても伐っても再び高々と生い茂る桂を永劫に伐採するという空恐ろしい刑をかせられる。兎はちやっかり、その伐採木を月の裏側にある月宮から頂戴して、表舞台で餅をつくというお話。因みに、月が傾くのは桂が一本倒れたから。でも、翌日、桂は蘇生するのでまた月が出てくる、てなお話。
【世迷い言】 山穂さまの句、上七が特に素晴らしいですね。いいですねぇ。
蟻は夏の季語ですが、穴を這い出る蟻は春の到来を告げるものですので季は春。
そこで、ここでは旺盛な蟻よりも目覚めた蟻を強調したいものです。でっ、私見ではありますが、下七を「蟻と目が合う」などもありかなぁ〜?、と。放哉
か山頭火みたいでいいじゃん。などと思ったりして。ご無礼の段、ひらに。
結構でございますよ。
月のあとには、月の桂、伏見の酒で、濁り酒、発泡して、舌につんときて酔い心地はそれはまー、なんといいましょうか、まろやかで・・・・、どうして、飲んできたことがばれてしまうんだろう。
ではなくて、折端みごとでござるのー。古典の素養をちらりとひけらかし、
とんとん、ととんと先に進もうかや。
山穂さん
すでに考えていますよね。
よろしく。
8句は海市さん、春はまだだめですよ。使えそうな言葉をあれこれ用意しておかれたし。
山はつねに外れるのですが、前が山さんですから。
追 春泥に転け蟻と目が合う
はいいね。蟻と同じ高さに顔があるという情景が表されれるからね。
芭蕉先生は、連句を巻き終えた後、句集を編纂する折には、こうした手直しをしてから上梓していましたね。
7、何故の罪でこんな怖い罰をうけなければならないのか?何が怖いって雷に追いかけら
れるほど苦手なものは無いんですよ!で、こんなに暑いのになんで走って逃げなければならないのか?
宗匠様、不易様、ご指導有り難うございました。難しく考えずにそのまま表現すればよろしかったのですね。なるほど、と目からウロコの心境でございます。またひとつ、お勉強をさせて頂きました。
7句目いただきましょう。
ゴロゴロさんですね。いにしえ、宮中の紫宸殿に落雷あり、皆、菅丞相の祟りと噂する・・、と宮中と雷は縁深きものなり。
8句目 海市さんお願いいたしまする。
一日に2句つくれば、年内巻了できますねー。がんば。
8、夕立が通り過ぎ、涼やかな風が庭先を吹きぬける。夕顔の下、草蔭の虫たちもほっと一息、夕涼み...。
いかがでしょうか。
よろしくお願いいたします。
結構ですよ。
さわやかな、遣り句ですね。たまには、さらりと流すのも必要なことです。
これは、第3句目があるから効いてますね。遣り句だけを出されたらきが抜けてしまいますから。
9、夕顔納涼図となれば、お昼寝。
赤ん坊が眠りながらくっくと笑っている。果たしてどんな楽しい夢をみているんだろう。
このごろの現実は楽しいことは少ないなー。せめて、幼き子には、楽しい夢のママの人生を送らせてあげたいものですなー。
10、皆さま良い調子ですね。どこまでついて行けるか少々不安ですが気張って行きます!花前、いかがでしょうか?宜しくお願い致します。
やさしい母は白魚のように美しい指だった。春先に出回るこの魚を見る度に母の面影を探し求める。
結構ですな。母という言葉は無いが、白魚の面影といへば、言わずもがな女性ですね。シラウオは初春の季語。
では、不易さん花お願いします。見事に一日に3句できました。
笑みと笑う(4句目)重なりましたが、もう次の句が出ちゃったのでおとがめなしということで、ご容赦。
11、昨日は夕方から会合に出かけて戻らず、メールを開かずにおりまして、少々おそくなりました。ご無礼。
それでは、宗匠殿いかがでしょうか。
白魚漁といえば春の夜の風物詩。かっては墨田の川でも見られたという。良き日を偲んで面影を辿る。水面に散る花と漁の篝火。
12、皆様の早さに驚きつ、ひきつりつつ、取り敢えず一句。お願いいたします。
夜桜見物にそぞろ歩く人の中に、かの人もいるらしい...篝火を映した横顔が美しいなあ...。
いかがでしょうか。
よろしくお願い申し上げます。
13、皆さま素晴らしいですね!ひとり足が絡まらないように頑張らなくては!
いかがでございましょう?
かの想い人から歌の返しが来た。美しい人は、歌を詠む様もきっと光り輝くようなをしていたのだろう。「未央宮(びおう)柳=美人の眉とも称される」=桧扇(アヤメ科)は図鑑で調べましたら夏に咲くとありましたので用いてみました。大丈夫でしょうか?また、恋句になりますでしょうか?
14、山穂さんのきれいな句です。
残念ながら恋句とはいえませんね。
ここのところ、恋が出そうで出ないというもやもやした句が続きます。
いっそきっぱりあきらめて、
美しさ、繊細さに潜む狂気。
人を破滅させる色香と見ていただいても結構です。
いやー、素晴らしいアップテンポで進みますね。結構、皆さんやればできるんぢゃん。
・・長考、休むに似たり、ですかな。
では、気を引き締めて。
お次は月の座です。おっと、うっかりして秋を出すのを失念。
海市さん、うまくあしらって下さいね。
気忙しき浮世の塵や大晦日
無いと承知で掛け取りに来る 易
宮仕えの身、本決算と年越しで繁多な日々。
なにとぞご明察。仕事は今日、明日で一応完了します。27日に一気に巻き上げる所存。お許しあれ。易拝
15、申し訳有りません。
年末締めに、突入してしまいました。
はじめ、月の夜にゆうゆう流る浮雲や であったが、秋の句にするため改めた。
16、月夜とくれば、もうポンポコ狸でしょう。これで迂生、この巻二句目の月受け。美しき月の句に申し訳有りませんが、お許し頂きたく。平伏。
お疲れのご様子ですが、いち早くの対応は見事。
17、蔦の細道の名所だが、秋の日の釣瓶落としで、山の達人・きこりですら足を速めて通り過ぎて行くのでおちおち見物もままならない。
お次は、山穂さん。秋は離れて、春はまだよ。
で、残るは2日、これで一巻を巻き上げるには、時間を無駄にしないことと、速作りと速手回しで対処。
18、急いで参ります。が、句はのんびりしたものになりました。
あんなに急ぎ慌てたのは遠い昔のことのようだ。外もまだまだ気ぜわしい様子。こちらは、と言うと、ひとりゆっくりぬくぬくと炬燵なんぞに入り、明日の楽しみをあれこれ思いめぐらす。
宗匠様、皆様、なんとかお通し願います!
けっこうですよ。
19、まだ仕事中です。間隙(感激)をぬって、一句。
付けやすく、とても良い前句です。ありがとう。
鯊は秋ですが、歯に凍むで初冬。風花のちらつく頃の下町風情。初老の独り身の山師的な男が、木賃下宿で佃煮の鯊を肴に独酌、見果てぬ夢の皮算用。奥歯に凍みるままならぬ浮世の仕打ち。
久保田万太郎風でよござんしょ。メチャ忙しいので通してぇ〜。
ハゼと佃島は前の卷でも出現、いまや、路地と並んで不易さんのおはことなりそう。
でも独立してみるといい句ですよね。
20、漁師は結構出たとこ勝負で。遣り句で、やり過ごします。
21、急ぎ、急ぎて年の暮れ...
遅くなりました。取り敢えずお送りします。
自分の思うように生きたい...さすらいの旅も長くなったがまだその道が見つからない...。
山河越え何処にあるや我が天地 を改めた。
22、山河を越えて、辿り着いたは海の端。春の海はとても長閑。
23、その黒髪は、春の海で見たきらめく波光のような輝きをもつ。美しい花さえも映し出
してしまうほどだ。
24、やっと、本日の仕事が終わりました。
でも仕事納めは、30日です。
遅くなりましたが、挙げ句をお送りします。
春の陽がいっぱいに差し込むダイニングで、コーヒーを入れていたら、何処からか蝶が舞い込できた...
「全体の講評」
14日間で巻き上げた。史上最速の巻きではあったが、齟齬、遺漏が思ったほど少ないのに驚かされる。句もなかなか起伏に富み、足並みが揃ったものとなった。ほどよい緊張と思い切りの良さがいい方向に向いたということであろうか。多忙な折でもあり、やや強引な督促で、気分を害したむきもなきにしもあらず、ここに謝してお詫びを。
予告 巻き上げの打ち上げはできなかったので、新年会として挙行いたしましょう。追ってご通知を。
次の巻は、不易さんに宗匠をお願いいたします。