星と航海
もうはるかな昔、貨客船で鹿児島から南西諸島へ行った折、水平線から水平線まで輝く星だらけで、あまりの星の多さに圧倒された。黒い空の部分の方が少なく思えたほどで、星が多すぎて星座はほとんど見分けられなかった。
それから大分年を経た初秋、ヨットで、伊豆諸島へ行った。初めてのオーバーナイトだった。落日から明け方まで、飽かずに星を眺めていた。冬の星座のオリオンが、夜明け前に水平線から徐々に姿を現わすのを見た。実に巨大な姿だった。この夜は月が出ていて星座を見るのにはちょうどよい明るさだったが、悲しいかなその多くを忘れてしまっていた。

ポジショニングはGPSに委ねられ、星を測っての時代ではなくなったが、船の上の夜長を、ぼんやりしているよりも、神話や伝説に彩られた星の物語を思いながら眺めていたほうがナンボか気が紛れるのでは、と子供のころの星座早見表を引っぱり出し、ボケつつある頭から忘れてしまった星座を、ぽつりぽつりと紡いで、少しずつ載せていくこととなった次第。1年経てばちょうど季節が一回りするという塩梅です。気長にお付き合いのほどを。

タイトルの「星と航海」は、天文航法による航海の話までいけるかどうか定かではないので、当面「航海中に星をみる」と解釈していただければ。

星座と神話
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十二宮