法律にかかわる問題

●外国での操船免許
●外国人が日本で
●船籍の問題

日本では、ヨットを自分で操船する場合は、それ相応の4級とか1級とかの免許がい りますよね。外国ではどうなんでしょうかね?
●外国での船舶操縦免許---外国で操船する場合を想定して
●---- 日本人が、外国で操船する場合、船舶操縦免許はどうなりますか?
商用船以外、帆船の場合は、スペイン船籍の船を除いて基本的に日本で言う所の操船免許は不要である。
●---- 外国で操船する場合、他に必要な資格というのはあるんですか?
操船免許以外のことでは、
1、イギリス船籍の場合、VHFを含む船舶用無線の運用資格が必要となる。

2、ニュージーランドの例で言うと、プレジャーボートの操船に必要な免許制度は船籍を問わずに無い。しかし一度入国(又は入港)した船が出国(又は出港)する際は、国が定めた安全基準に適った設備(イーパブやライフラフト等)及び備品(フレアー等)を有する事が要求される。これに該当しない場合は出国(出港)許可を得られないのである。
これは、安全確保不充分な船における出港後の事故を未然に防ぐ事を目的としている。
また設備・備品については、認定を受けた機器・備品などという要求ではない。それらの有効性(有効期限等)の有無が問われるのである。‥・日本における「桜マーク」もこの意味である事を望む次第である。

●---- 日本の免許は使えますか?
いわゆる日本の小型船舶免許は、日本船籍の船を日本国が指定した日本領海内で操船する際に必要とされる操船免許であり(←皆さんよ〜くご存知の事でしょ‥)、それ以外は役にたたない。
自動車免許にあたる“国際運転免許”に類するものは、商用船以外のプレジャーボート用では現在無い。
●---- 自分のヨットで行った場合とチャーターヨットを操船する場合とでは違いがあるのですか?
1、日本船籍である場合は、日本国指定領海外では操船免許を必要としない。
チャーター艇においても日本船籍であれば上記と同様。

2、日本国以外の国の船籍である場合 その国(々)の領海内航行するにあたって、その国(々)が必要としている資格を有する事が必要。
但しヨーロッパにおいてはスペインのみが日本と同等の船舶操船免許を現在は必要としているだけで、オーストラリア・ニュージーランド・北欧及び北米諸国においてはこれを必要としない。

ベアチャーター(船長・クルー無し)をする場合、操船を行う為の免許の有無では無く、チャータラー(借り手)の操船技術・知識、航海経験の度合いで、チャーターの可・不可が判定される事が殆どである。
これらはRYA資格やチャーター会社(貸し手)とのブリーフィングを通して判定される。(英国のRoyal Yacht Associationが受講修了者に出す資格)

では、立場を代えて外国からの人が日本の海を航行する場合はどうなんでしょうか?
●外国人による日本領海内の航行について 外国人から聞かれた場合に備えて
●---- 日本船籍のヨットの場合は?
日本船籍のヨットを日本領海内で操船する場合は、有資格者の同伴か、もしくは日本国発行の資格を本人が有する事が必要となる。資格とは、船舶操縦免許のことである。
●---- 外国船籍のヨットに乗っている場合は?
日本国船籍以外のヨットに乗る場合は、日本政府が要求する資格を有する必要は無い。

いままでの話で、船籍によって条件が異なるケースが多いようですが?
●船籍による問題点
●---- 日本では、船籍によって何か違いがあるのですか?
大いにあるね。日本領海内を移動するのを例にあげると、
日本船籍以外の船舶が、日本国の指定する一税関区を越えて航行する場合には、その都度出入港届をその税関区を統括する税関事務所に届出する必要がある。
例えば東京都内に停泊中のヨットが横浜ベイサイドマリーナに日帰りで航行する場合であっても、原則的に出入港届をその都度各々に提出の必要があるということ。不便この上ないね。税関区とは、海上保安庁が定める管区とは別物)

ハワイを例にあげると、
日本にこの法律がある故に、日本船籍のヨットがアメリカ領ハワイ諸島訪問の際、ハワイ諸島は3つの独立した税関区から構成されているため、日本が外国船籍のヨットに要求すると同等にアメリカ政府からも必要書類の提出をその都度要求されることになる。

一方、日本国以外の国の船籍ヨット、例えばフランス船籍等は米国政府から一年間有効の航海許可書の発行を受ける事ができ(要若干の手数料)、自由に航海する事が出来る。うらやましいことだな。

ハワイに行った日本船籍のヨットが受ける仕打ちは、日本で受けた恨みを返すたぐいの、因果応報みたいになっていて迷惑この上ないね。眼には眼を、歯には歯を、ということだね。

●---- そうだったんですか。では、日本と諸外国間で円滑に運ぶ手だてはあるのでしょうか?
日本国がプレジャーボートに要求している免許制度を廃止すべきだね。
それから、外国船籍のヨットに対しての、税関区ごとの煩瑣な手続きなんぞを即刻廃止すること。それに替わる航海許可証発行という方向性が何よりの解決策であろう。

日本国におけるこれらの法律は、今だに鎖国を背景とした明治時代のものと大差なく運用されているのだから‥

以上ですが、どうでしたでしょうか。お役にたてれば幸いです。
ご質問などございましたらどうぞ。

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